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Between(株)進研アドが発刊する高等教育のオピニオン情報誌
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図表4:自己点検・評価する上での問題点・課題

 図表4は、自己点検・評価をするうえでの問題点を分析したものである。「業務多忙等で十分な時間がとれない」「情報を収集・分析できる専門的な人材が不足している」「情報が散在しており集約するのに手間がかかる」といった、時間や人材に関することを課題とする学部が多い。
 設置区分別に見ると、国立大学は、時間や人材は不足していても、評価結果を大学改善に活用するノウハウがある。一方、私立大学は国公立大学よりも、「学科やコースにより協力に差がある」「教員の自己点検・評価に取り組む意識が乏しい」など、学内の意識にかかわる課題を抱える傾向が若干強く見られる。
 こうした自己点検・評価の体制や意識の問題は、評価結果を用いた大学改善にも強く影響しているようだ。例えば、自由回答には、「自己点検・評価は行うが、それを生かした改善に結びついていない状況にある。改善を行うための検討に入っても、改善施策を立て、実行するまでには相当な時間を要することが多々あり、改善がなかなか進まない。よりスピーディーにPDCAが行われるように運営の改善を図りたい」との記述があった。改善につながるしくみづくりに悩む大学は多い。今後、FD・SDなどを絡めた着実な努力が必要である。


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