特集

Between(株)進研アドが発刊する高等教育のオピニオン情報誌
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大学、高校、受験者の3者の視点による検証

 筆者は、数年にわたり、地方国立P大学のAO入試の検証にかかわったが、以下のように、先駆的ともいえる多面的な検証を実施していた。
①AO、推薦、一般等、各入試区分の入学者のGPA追跡調査
②合格発表直後、当該年度のAO入試に関係した学内教職員を対象に実施するアンケート調査
③高校訪問時、進路指導担当教員を対象に実施する聞き取り調査
④合格発表直後、当該年度AO入試受験者の高校の担任と進路指導主任を対象に実施するアンケート調査
⑤AO入試の合格発表直後、合格者を対象に実施するアンケート調査
⑥毎年度末、AO入学者全員を対象に実施する面接調査
 ①②は大学側、③④は高校の教員、⑤⑥は受験者すなわち受験する側、それぞれの視点での検証である。他にも多数の検証方法があるが、限られた経営資源の中では、「選択と集中」の考え方が重要になる。調査設計時に高校教員の声を聞き、P大学のポジショニングも考え合わせた結果、AO入試では、大学と受験者側との信頼関係が第一のプライオリティであると判断し、受験者側の視点も重視する検証方法を選択した。

P大学におけるAO入試の追跡調査

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