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英語教育 〜第4回〜
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全国の公立中学校の英語教員を対象に、生徒の英語学習に対する苦手意識やつまずきの主な原因をたずねた結果をみると、「単語(発音・綴り・意味)を覚えるのが苦手」が68.8%ともっとも高く、約7割の教員が、英語学習に対する生徒のつまずきの原因は、単語の発音や綴り・意味を覚えるといった基本的なところにあるととらえていることがわかった。
しかし、「英語に限らず、学習習慣がついていない」(68.0%)、「英語に限らず、学習自体への意欲が低い」(61.0%)も6割以上と高く、英語学習に限らず学習習慣自体に大きな課題があると認識している教員も多い。
英語の学習内容に関わる項目では、「単語(発音・綴り・意味)を覚えるのが苦手」に次いで、「文や文章を書くことが苦手」(58.3%)、「文字や文章を読めない(文字から音にうまく変換できない)」(50.2%)も5割を超えている。
一方「英語に対する抵抗感」をあげた教員は27.5%と低く、「英語や外国、異文化に興味が持てない」は7.0%と1割に満たなかった。
全国の公立中学校の英語教員を対象に、校区内の小学校で行われている英語教育(活動)についてたずねた結果をみると、「小学校の英語教育(活動)について知っている」に「あてはまる(とてもあてはまる+まああてはまるの合計)」と回答した教員は、48.5%と半数以下だった。
さらに、校区内の小学校で行われている英語教育(活動)との関わり状況をたずねたところ、「小学校の英語活動担当の先生と中学校の英語の先生とで集まる機会がある」や「小学校の英語教育(活動)の授業見学に行く」に「あてはまる」と回答した教員は、それぞれ28.6%、25.5%と、いずれも3割に満たなかった。
また、「小学校で授業をすることがある」「中学校での英語の授業の導入ややり方を小学校に合わせて変えている」は、それぞれ14.8%、13.5%と1割台にとどまっている。
本調査は2008年7〜8月に行われたものであるが、2011年からの小学校での外国語活動実施に向けて、小中連携が今後の課題といえるだろう。
全国の公立中学校の中学2年生を対象に、英語の得意・苦手についてたずねた結果をみると、英語を得意(「とても得意」+「やや得意」)と答えた生徒は4割弱(37.5%)であるのに対し、苦手(「とても苦手」+「やや苦手」)と答えた生徒は6割(61.8%)と、「苦手」が「得意」を大きく上回った。
さらに、「苦手」と回答した生徒が、英語を「苦手」と感じるようになった時期をみてみると、「中1の後半」が26.6%ともっとも多く、次いで「中1の始め頃」16.2%、「中2の始め頃」12.9%、「中1の夏休み後くらい」12.8%と続く。
これを累計でみると、英語に苦手意識をもつ生徒の8割近くが、「中1の後半」までに英語を「苦手」と感じるようになっていることがわかる。
全国の公立中学校の中学2年生を対象に、英語についての将来の意識をたずねた結果をみると、7割が、「自分たちが大人になる頃には、今よりも英語を話す必要がある」と感じていることがわかった。その一方で、「英語が話せなくても、将来、困ることはない」と感じている生徒も35.0%いる。
また、「将来、外国に留学したい」と思う生徒は20.4%、「将来、英語を使う仕事をしたい」と思う生徒は14.6%にとどまっており、将来、英語の必要性が高まっていくという認識を持ちながらも、自分自身が積極的に英語を使うことをイメージしている生徒は少ないことがわかる。
さらに、各項目について、英語が「得意」な生徒と「苦手」な生徒に分けてみてみると、それぞれの項目において14ポイント〜22ポイントの開きがみられた。