次世代育成研究室

研究室トピックス

幼稚園児・保育園児の保護者は
園生活を通して自分自身の成長も感じている
~年長児の保護者を対象にした調査結果から~

2017年12月13日 掲載
 ベネッセ教育総合研究所 次世代育成研究室

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前回は、就学前の子どもをもつ母親は、幼稚園や保育園に対してもっとも期待していることは、社会性を育むこと、という調査研究結果をご紹介しました。今回は、幼稚園や保育園で子どもが経験することや、園とのかかわりを通じて保護者自身がどのくらい成長したと感じているかを調べた結果をご紹介します。

 

ベネッセ教育総合研究所が2016年に行った「園での経験と幼児の成長に関する調査」では、幼稚園や保育園、認定こども園などに通う年長児をもつ保護者を対象に、園での子どもの経験や園の環境、園生活を通した成長などをたずねるアンケート調査を行いました。
 

その結果、子どもの幼稚園や保育園などでの生活を通して、約7~8割の保護者は、園生活を通して保護者自身の成長も感じていることがわかりました(下図1)。例えば、保護者自身が、「子どもの得意なことやよさに気づいた」(「強く感じる」+「やや強く感じる」。以下同)は83.6%、「自分の視野が広がった」は68. 5 %、「子どもへの関わり方がわかった」は67.5%となっています。

【図1】保護者自身の成長と園の評価

Q 園生活を通して、以下のことをどれくらい感じますか。

 


園から得られる子育て情報の役立ち度は
幼稚園と保育園とで異なる

また、園から提供される情報が、どの程度子育ての参考になったかをたずねたところ、「とても参考になった」比率が高かったのは「個人面談」36.6%、「送迎時の先生や職員との会話」32. 4%でした下図2)。園だよりやホームページなどさまざまな情報発信の形態があるなかで、わが子について対面で話すことはとても大切な機会であるようです。
 

【図2】 園からの情報の参考度

Q 園からの情報は、子育てをするうえでどれくらい参考になりますか。

 

  

同じ質問の結果を、子どもの通園先別(幼稚園/保育園)に分けた上で、それぞれの項目について「(その情報を参考にする)機会がなかった」比率を見てみました(図2の右の表)。すると、幼稚園では「送迎時の先生や職員との会話」の「機会がなかった」比率が保育園よりも高く、保育園では「個人面談」の「機会がなかった」比率が高いなどの傾向がみられました。これは、保護者が比較的集まりやすい幼稚園と、共働き世帯が多く送迎時のコミュニケーションが重要な機会となる保育園、それぞれの特性による結果であると考えられます。

園からの情報発信や面談・行事などが、子どものことを保護者が学ぶよいきっかけとなり、園と関わることを楽しく感じることが、子どものよりよい成長にもつながります。園と保護者が共に子どもの成長を楽しみ、育つような関係を築いていきたいものです。

  

*保護者の成長実感と園での関わり方、園生活を通して、親子がどのような成長を感じているか、調査結果の詳細はこちらからご覧いただけます。ご活用ください。

 【園での経験と幼児の成長に関する調査 調査概要】 

調査対象:幼稚園・保育園・認定こども園などに通う年長児をもつ保護者2,266 人(母親2,060 人、父親206 人)  ※年齢は25 ~ 49 歳
調査時期:2016 年2 月19 日~ 2 月22日
調査地域:全国
調査方法:インターネット調査
調査項目:園での子どもの経験、園の環境、園と関わる機会、園から提供される情報の参考度、園生活を通した成長実感、子どもの「学びに向かう力」「文字・数・思考」、園の満足度など

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