特集

Between(株)進研アドが発刊する高等教育のオピニオン情報誌
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呼応と連携で進める社会との接続

就職状況の極度の悪化を受けて、社会に人材を送り出すという本来の使命があらためて問われる中、大学にとっては、社会のニーズに対する感度の向上が課題である。
産業界との間では、人材育成にかかわる情報を積極的に発信し合い、具体的な行動で応え合うことによって、求める人材像と育てる人材像を近づけ、学生の、社会へのスムーズな移行を促すことが重要だ。
環境変化の中で高い競争力を持った教育を実践するには、大学単体ではなく、産業界・社会との連携に基づく改革を進めていく必要がある。
ラーニングアウトカムの設定や評価方法の開発、教育プログラムの開発など、産業界との間でさまざまな連携が考えられ、実践に踏み出した大学もある。

1 人材育成をめぐる課題認識

大学の意識

     

産業界の意識

求める能力を積極的に示してほしい



大学に対して求める能力を積極的に伝えるべき
社会から求められる能力の変化に合わせ教育プログラムを変える必要がある 大学は産業界から求められる能力の変化に合わせ教育プログラムも変えるべき
卒業時の能力を対外的に証明できる評価方法を考える必要がある 評価したい学生の能力をきちんと測定する方法がない
2 大学と産業界との呼応・連携の可能性

大学は「育成する人材像」を、産業界は「エンプロイメント・ポリシー(雇用方針)」を、示し合うべき   産業界が求める「主体的な人材」について産業界と大学が議論を重ね具体的な人材像を共有することが重要   学校と社会との円滑な接続を図るため、小・中・高・大学のネットワークを作るべき
   
3 推薦・AO入試と入学前後の教育の実践例

産学が連携して目標を設定し、教育プログラムを作成するコーオプ教育
産学官連携により、観光教育におけるカリキュラムモデル案を策定
大学生が企画したプログラムで中学生が職場体験を行いキャリア教育の接続を図る
企業や自治体が教育計画の立案や授業の指導にかかわり地域のニーズに応える人材を育成する
4 一人ひとりの社会的自立を支援するために

地域、産業界の知恵を取り込み、特色ある教育プログラムを開発
大学にとって、小・中・高校、社会という両方向との対話が必要
「学び続ける力」の育成によって、生涯にわたるキャリア開発を支援

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