教育フォーカス

【特集33】大学教職員向けウェビナー「大学生の主体的な学びを促す授業・環境のデザイン」開催リポート

報告1 授業の内容や構成の工夫で、学生の興味・関心を喚起する授業を

平田正英

慶應義塾大学 環境情報学部1年
平田正英

高校在学時、「サステナブルブランド国際会議」に登壇。探究学習と進路選択をつなぐサービス Qareer(クアリア)を運営。
https://qareer.net

 主体的な学びとは、学生自身が学ぶことに意義を感じて、自ら学習に励むことだと私は考えています。
 ベネッセ教育総合研究所の調査によると、「大学・学部を決める際に重視した点」の1位は「興味のある学問分野」でしたが、その割合は52.1%でした。逆に言えば、半数は興味のない大学・学部に進学していることになります。進学先を興味ある授業や教授、研究室などを基準に選ぶのは当然のはずですが、半数が興味のない大学・学部に進学している。こうした状況があるため、「あまり興味がなくても単位を楽にとれる授業がよい」学生が、63.3%に上る現状をもたらしているのだと思います。
 また、「大学の授業で体験したこと」として、ディスカッションや教授のコメントなどが増えていることが挙げられています(図1)が、授業の枠組みが変わっただけで、その科目に興味が湧くものでしょうか。

【図1】大学の授業の形態(基調報告資料16P) クリックで拡大します

 ただ、最初は興味がなかった分野でも、主体的に取り組むことができないわけではありません。私自身、半年間、大学で授業を受けて、興味を持った授業には共通点がありました。それは、①先生自身がその学問が好きなのがわかり面白そうに話す、②単純明快である、③身近である、の3点です。先生がわかりやすく話し、興味を持たせる構成などを工夫することで、学生の好奇心は刺激され、主体的な学びにつながると思います。

 教育フォーカス【特集33】